耳の症状・異常はご相談ください
耳は「外耳」「中耳」「内耳」という3つの部分で構成されており、日常生活で使う「音(声)を聞く」という機能だけでなく、体のバランスを感じるためにも欠かせない器官です。
耳に問題を感じている場合は、耳鼻科へご相談ください。
耳の病気(一覧)
中耳炎
中耳に炎症が起こる病気です。痛みや耳閉感(耳が詰まったような感覚)、難聴、耳鳴り、耳だれ、めまいなどの症状が現れることがあります。
急性中耳炎
乳幼児や小児によく見られる急性中耳炎は、耳管の未発達によってウイルスや細菌が中耳に侵入し、炎症を引き起こすことが多いです。症状には耳の痛み、聞こえにくさ、耳閉感、発熱などがあります。治療は軽症の場合は経過観察を行いますが、中等度以上の場合は抗生剤を投与します。また、鼓膜切開が必要な場合もあります。
滲出性中耳炎
耳管の機能が低下することで、中耳に滲出液が溜まり、聴力が低下してしまう病気です。特に乳幼児や高齢者に見られます。症状は聴力低下や耳閉感などがよく見られますが、乳幼児の場合は自分で症状を訴えられないため気付かずに滲出性中耳炎になっている場合があります。そうなると小さい音が聞こえにくい、音がひずんで聞こえるなど、言葉の発達に支障をきたす事があるので耳鼻科による鼓膜の観察が必要です.
治療では抗生剤や抗炎症剤を用いた薬物療法や鼓膜切開、鼓膜換気チューブの挿入を行います。
慢性中耳炎・真珠腫性中耳炎
急性中耳炎の慢性化・再発によって鼓膜に穴が開いた状態が続き、炎症が起きやすくなり、耳漏が繰り返される状態です。治療は耳洗浄や抗生剤の使用から始まり、手術が必要な場合もあります。
真珠腫性中耳炎は、真珠腫(耳垢が溜まって増殖したもの)の浸潤(しんじゅん)によって顔面神経麻痺や聴力障害を引き起こすことがあり、手術が必要です。
好酸球性中耳炎
40~50代の方に多い難治性の中耳炎です。好酸球が活発化することで発症します。治療にはステロイド剤や抗菌薬が必要とされます。また、気管支喘息や好酸球性副鼻腔炎、鼻ポリープと併発することも少なくありません。
外耳炎
外耳道に炎症が起こる病気で、痛みやかゆみ、耳だれなどの症状が見られます。耳に細菌が入ったり、耳かきをしすぎたりすることで起こるケースがほとんどです。何度も触るとして慢性化しやすくなるので、放っておかずに受診するようにしましょう。
内耳炎
中耳炎が内耳に及ぶ病気です。音の感知やバランス感覚に影響を与えることがあります。慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎にかかっていた方が、細菌やウイルスの感染によって内耳炎を発症するケースも少なくありません。
また、難治性の急性中耳炎により、稀に髄膜炎を起こして発症するケースもあります。症状には難聴や耳鳴り、めまいなどがあります。
先天性耳瘻孔
先天性耳瘻孔は、生まれつき耳の付け根に穴がある状態です。症状がなければ問題ありません。しかし、袋の部分に分泌物が溜まり感染すると、穴の周囲が赤く腫れあがり、痛みが生じます。慢性化すると細菌感染が繰り返されます。
メニエール病
繰り返すめまいを主な症状とする病気です。めまいと連動して耳鳴りや難聴、耳閉塞感といった、みみの症状も起こることがあります。
以前は30〜40代の女性に多いとされていましたが、高齢の男性の患者様も増加傾向にあります。原因は内リンパ水腫(内耳には元々リンパ液という液体がありますが、それが溜まりすぎてむくんでしまう)と考えられており、内耳の器官に影響を与えることでめまいや耳鳴りといった症状が起こります。
良性発作性頭位めまい症
耳石器(じせきき)にある耳石が剥がれて三半規管に入り込み、めまいを引き起こす病気です。原因は不明ですが女性に多く、加齢やホルモンの低下によるカルシウム代謝の変化によるのではないかとされています。治療では抗めまい薬の処方や理学療法がおこなわれます。
突発性難聴
片方の耳が突然聞こえなくなる病気です。めまいや耳鳴り、耳閉感を伴うことがあります。原因は不明ですが、ウイルス感染、血流不良、ストレスなどが関与しているとされています。発症から1週間以内に治療を受けるのが望ましいとされます。
老人性難聴
老化による聴力低下です。高音域から始まり、次に低音域も聞こえにくくなります。原因としては加齢や喫煙、ストレス、動脈硬化などがあります。治療法はないため、補聴器を使用して日々の生活での聞こえにくさをカバーすることが推奨されます。
ここに挙げた病気の他にも、難聴・耳鳴り・耳閉塞感・めまいを起こす病気はたくさん存在します。
耳鼻咽喉科で診察・検査を行い、適切な診断・治療を受けましょう。