のどの異常・症状はご相談ください
口腔とは歯や舌を含む部分で、咽頭は喉の奥に位置している部位で、息を通じて声を出す役割を果たします。
喉頭に病気があると、喉の痛みや腫れ、異物感や詰まり感が出ます。さらに、咳や痰、声がかすれるなどの症状が現れることもあります。
次のような症状でお困りの方は、耳鼻咽喉科にご相談ください。
このような症状はありませんか?
- 口内炎ができる
- 舌がしみる、ただれる
- 喉が腫れる、痛い、乾燥する
- 喉に違和感がある
- 飲み込みにくさを感じる
- 声がかすれる、もしくは出にくい
- いびきをかく
- 味覚が落ちる
のどの病気(一覧)
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は、一晩のうちに何度も呼吸が止まってしまう状態です。発症すると強い眠気や集中力の低下、高血圧や心不全などの心血管疾患や脳卒中などの脳血管障害を引き起こす恐れがあります。
診断には専用の睡眠検査が必要ですが、多くの場合は閉塞性睡眠時無呼吸でいびきを伴っているタイプです。主な原因は顎や喉の形状、肥満などで、治療法としてCPAP(シーパップ)やマウスピースなどの口腔内装置を装着する治療と、外科手術があります。
子どもにおいても睡眠時無呼吸が問題となり、夜尿や成長障害、注意散漫などを引き起こすことがあります。
アデノイドや口蓋扁桃肥大が原因である場合は、手術による改善が期待できます。
声帯ポリープ
声帯に炎症が起こり、ポリープが形成されることがあります。
薬物治療での改善は難しく、手術が必要になる可能性もあります。
扁桃炎
ウイルスや細菌感染によって、左右両側の喉の奥にある扁桃が炎症する疾患です。扁桃は赤く腫れ、白い膿を持つことがあり、喉の強い痛みや飲み込む際の痛みが出ます。顎の下を押すと痛みをともなうこともあります。また、高熱を出すこともあります。
治療ではうがい、抗菌薬の内服が行われます。食事ができない場合は点滴や入院が必要です。咽頭痛が強い場合は、扁桃周囲膿瘍や伝染性単核球症などの重症な病気や、抗菌薬による副作用を生じるウイルス感染症も考えられるため、耳鼻咽喉科で相談することをお勧めします。
咽喉頭炎
「咽喉頭炎」は、咽頭に炎症が起こる総称で、急性咽喉頭炎と慢性咽喉頭炎の2種類があります。
急性咽喉頭炎
ウイルスや細菌などの感染による急性炎症で、発熱やのどの痛みが伴います。
喉の所見や迅速検査・採血などから、適切な風邪薬や抗生剤などの治療薬を選択し治療します。細菌感染が疑われる場合には抗菌薬などが用いられ、うがいをしたり、必要に応じて薬を服用したりします。症状が強い場合は点滴治療や入院が必要になることもあります。
慢性咽喉頭炎
喉の痛みや違和感、飲み込み困難などが生じることがあります。原因は多岐にわたり、ウイルスや細菌感染だけでなく、喫煙、胃酸の逆流、自己免疫疾患や性感染症なども考えられます。また、精神的ストレスや加齢性変化、アレルギーによるものもあります。
長期にわたるのどの症状は悪性腫瘍の可能性もあるため、耳鼻咽喉科で相談することをお勧めします。
口内炎
口内炎は、口の中の粘膜に起こる炎症です。舌炎、歯肉炎、口唇炎などと呼ばれることもあります。アフタ性口内炎、ウイルス性口内炎、カンジダ性口内炎、アレルギー性口内炎などの種類があります。アフタ性口内炎では、数ミリの灰白色の斑(アフタ)があり、痛みを伴うという特徴があります。
歯で口の中をいじったり歯ブラシで傷つけたりすることで起こり、ビタミン不足やストレスによる免疫力低下も発症に関わっています。
うがいをすることで清潔を維持させると、1~2週間のうちに自然と改善することが多いです。また、ステロイド軟膏を塗ることでより早く治ることもあります。
ウイルス性口内炎はヘルペスやはしかなどのウイルスが原因で起こる口内炎です。
カンジダ性口内炎はカンジダ菌が原因で、特に糖尿病や喘息治療に用いる吸入ステロイド剤を使用している方や高齢者に発生しやすい病気です。
アレルギー性口内炎は金属や薬物によって引き起こされます。
治りにくい口内炎は、初期のがんや全身疾患の一症状として出現する場合があるため、耳鼻咽喉科で診察を受けることをお勧めします。
甲状腺疾患
甲状腺は、喉仏の下くらいに位置する蝶々のような形をした臓器です。体の代謝に関わるホルモンを作って貯留し、そのホルモンは体の中に運ばれます。このホルモンは簡単にいうと体を元気にするホルモンです。多すぎても少なすぎても体に悪影響を及ぼすため、適正な量であることが必要です。
甲状腺疾患には、甲状腺の中に腫瘤(できもの)ができる場合と、何らかの原因でホルモンの量がおかしくなる場合があります。両者が同時にでることもあります。
甲状腺疾患は大きく3つに分類できます。
甲状腺中毒症
甲状腺ホルモンが過剰に発生することで、動悸、息切れ、体重減少、食欲亢進、倦怠感、多汗などの不調をきたします。
この原因には、バセドウ病や無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎、甲状腺機能性結節、橋本病、妊娠などが挙げられます。
甲状腺機能低下症
体内組織に対しての甲状腺ホルモン作用が低下するもので、むくみや倦怠感、食欲低下、便秘、脱毛、皮膚の乾燥など症状が現れます。
橋本病や、甲状腺の手術、頸部の放射線照射が原因となります。
甲状腺腫瘤
良性のものと悪性のものがありますが、良性のものではかなり大きくならない限り自覚症状はほとんどありません。大きくなったタイミングで気付く場合がほとんどです。
悪性の場合は声がかすれる症状が出たり、首のリンパ節に転移すると首がはれたりすることもあります。